「VIVANT」続編、制作費20億円超でもTBSが赤字覚悟なワケ
TBS系日曜劇場「VIVANT」のシーズン2が、7月26日の初回放送で世帯平均視聴率18.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を叩き出し、好発進を決めた。シーズン1最終回の19.6%に次ぐ高数字で、同局もほくそ笑む状況だ。
しかし、その舞台裏では「制作費が1話あたり1億円」ともささやかれ、民放関係者からは「どれだけ視聴率がよくても大赤字」との声が漏れる。シーズン2は2クール、約20話の放送が見込まれ、単純計算で制作費は20億円規模。業界の常識である1話3000万円を大きく上回る破格の投資だ。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro なぜTBSはそんな赤字覚悟のゴーサインを出したのか。鍵を握るのは、収益の多角化だ。地上波のスポンサー料に加え、TVerでの配信収入、さらに映像配信サービス「U-NEXT」との独占契約が大きな柱。U-NEXTとTBSは資本提携関係にあり、「VIVANT」効果でU-NEXTの加入者が増えれば、TBSも潤う仕組みになっている。
加えて、DVDやグッズ販売、イベント展開、そして映画化も視野に入れている。もし映画化が成功すれば、大ヒット作「国宝」の200億円超えには及ばずとも、十分な興行収入が見込める。20億円の制作費はペイ可能と見る向きもいる。
実際、初回放送の翌7月27日、TBSホールディングスの株価は前日比214円高の6315円で高値引け。東証全体の買い戻しムードもあったが、「VIVANT」の高視聴率が買い材料になったのは間違いない。
制作費1億円という数字について、TBSは否定も肯定もしていない。芸能デスクは「あえて切りの良い数字を流すことで、作品の質の高さを印象付け、社会的な注目を集める戦略では」と分析する。作品価値の維持・向上が、次なるコンテンツへの期待や会社全体のアピールにつながるというわけだ。
シーズン2の初回について、民放プロデューサーは「シーズン1のおさらい的な傾向は否めなかった」と率直な感想を述べる。乃木憂助(堺雅人)やノコル(二宮和也)、ノゴーン・ベキ(役所広司)らおなじみの顔ぶれが勢ぞろいし、場所も商社や警視庁。新しい指令を意味する赤い饅頭も登場し、「顔見世興行的な初回」と評した。
それでも、シーズン1第1話で堺や阿部寛、二階堂ふみが糞まみれになる衝撃シーンを思い出させるように、福澤克雄監督は今後も意外性ある仕掛けを用意しているはずだ。視聴者の興味を引き続け、視聴率につなげていく構えだ。
「VIVANT」のライバルとして、蒼井優主演の不倫疑惑ドラマも注目を集めているが、夏ドラマの大本命はやはりこの作品だろう。赤字覚悟の大勝負が、どこまで視聴者を魅了するのか。
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