リリー・フランキー、絶版「おでんくん」続編は下書きだけ…“不義理をしたまま墓場には行けない”
俳優としても知られるリリー・フランキーが、自身のルーツであるライター・イラストレーター業に回帰する思いを明かした。その中で、ファンの間で根強い人気を誇る絵本『おでんくん』が絶版となった経緯や、未発表の続編が存在する事実についても語っている。
リリーによれば、『おでんくん』の絵本は既に絶版。担当編集者が「続編の『3』を描いてくれれば絶版を止められる」とギリギリまで粘ってくれたものの、結局叶わなかったという。今でも週に1回は商品化のオファーが来るほど根強い人気があり、カプセルトイは即日完売。かつてアニメを見ていた子どもたちが大人になり、ビジネス企画を提案してくる状況に「物語の原体験として『おでんくん』が残っているのは感じる。でも肝心の原作本が読めない」と苦笑いする。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 実は、幻の第3巻の下書きは10年以上前から存在する。テーマは「戦争」で、「ニセおでんくん」や「メカおでんくん」が登場し、似た者同士が言い争う内容だという。「『夢』と『愛』の次にそれを描こうとしていたが、今出すとあまりに生々しく、時代に乗っかっている感じがして描きづらくなった」とリリーは明かす。
リリーは現在、俳優としての顔が先行しているが、本人は「1年の中でお芝居をやっている時間は実はすごく短い」と語る。テレビや映画出演の方が目立つため「俳優にシフトした」と思われているだけで、実際は「そろそろ本腰を入れて『ものを書くこと』に立ち帰りたい」という思いが強いという。
その背景には、かつて自身の原稿を必死に取りに来てくれた担当編集者たちが、次々と定年や引退を迎えている現実がある。「あの人たちが生きているうちに、ちゃんと本にして渡したい」とリリー。そしてこう締めくくった。「鶴田浩二先生じゃないけど、義理と人情を秤にかけたらどっちも重たい。不義理をしたまま墓場には行けない」。
リリーはまた、1990年代から2000年代にかけて、雑誌を主戦場に月100本以上の原稿を書いていた多忙な日々を回顧。「文章は知力じゃなくて体力。書けば書くほど書けるようになる」と当時を振り返る。一方で、SNSの普及により誰もが発信できる現代については「全員が自分専用のコラム枠を持ってしまい、逆に強みが消えた」と指摘。かつて「サブカルチャー」と呼ばれたオタク文化がメインカルチャー化したことで、「コラムニストが何に怒っていいのか分からなくなった」と、表現の場の変化への複雑な思いも口にした。
齋藤飛鳥との共演エピソードでは、年齢や所属業界を超えた「似た者同士」の感覚を語る。「エロ本出身のサブカル人間も、乃木坂46出身の飛鳥ちゃんも、それぞれのグループや業界の中でちょっと端っこ寄り。そういう人は見ていて信用できる」と、世代を超えた共鳴を明かした。
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