池松壮亮主演映画『開戦前夜』公開強行で物議 本編に“小さな文字”の釈明テロップ追加
池松壮亮(36)主演の映画『開戦前夜』が7月31日に公開された。真珠湾攻撃前に日本の敗戦を予測しながらも開戦を止められなかった首相直轄の研究機関・総力戦研究所を描いた同作は、昨年8月にNHKで放送された戦後80年記念特番のドラマパートを映画化したものだが、現在訴訟の係争中である。
問題となっているのは、総力戦研究所の初代所長を務めた陸軍中将・飯村穣氏の孫で元外交官の飯村豊氏が「祖父が卑劣な人間に描かれ、名誉を毀損している」として、昨年12月にNHKや映画監督、制作会社などを相手取り550万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたこと。さらに7月22日には映画版の製作委員会を構成するNHKエンタープライズ、東京テアトルなど4社に対し、追加で公開の差し止め請求を申し立てている。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 史実では飯村穣氏は研究所内での自由闊達な議論を推奨したとされる陸軍中将だが、ドラマ版で國村隼(70)が演じる板倉大道というキャラクターは、日米開戦前に出された“圧倒的な敗北”というシミュレーション結果を覆すよう圧力をかける人物として描かれていたという。
これに対し『開戦前夜』製作委員会は6月11日に公式サイトで声明を発表。「原告の祖父は本作に登場せず、同氏の人格や人物像を描く意図もありません。本作は、歴史的事実に着想を得たフィクションです」と一方的な見解に基づく訴えだと反論していた。
上映差し止め請求についてNHKサイドは、7月29日の定例会見で山名啓雄副会長・メディア総局長が「NHKは映画の製作委員会に関わっていないので、そちらについてはお答えする立場にない」とコメント。井上樹彦会長は「NHKとしては、放送前と放送後もご意見やご懸念を伺いながら説明や対話を重ねるなど、できる限り誠意を持って対応してきました」と述べていた。
話し合いが平行線のまま公開された映画だが、鑑賞した制作会社関係者によると、本編には気になる修正が施されていたという。
「映画版は、遺族サイドに裁判の際に指摘されないように修正をした印象を受けました。映画の冒頭で『架空の氏名で登場する人物は、残された資料や歴史的事実を基に創作されていて、実在の人物をモデルにしていません』といったテロップが入るのですが、これがとても小さな字で、大変読み辛かったです。ほかにも『所長』といった言葉も全く出てきませんし、これは裁判を睨んで修正したものと思われます」
7月22日に製作委員会は公式HPで創作の経緯と公開についての声明を発表し、変更をこう説明している。《「板倉大道少将」は、もとより飯村穣氏とは異なる創作上の人物として描かれておりましたが、原告から示された懸念も踏まえて、作中の登場人物と飯村穣氏との混同を避けるための措置(「所長」という肩書および呼称を映画版では使用せず、さらに本編冒頭にフィクションであることを明示するテロップを付けるなど)を講じています。これらの措置は、テレビドラマ版および映画版のいずれにも法的な問題がないとしても、原告の主張に可能な限り配慮し行ったものでした》
双方の主張が折り合わないまま、裁判の行方はどうなるのか。注目が集まっている。
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