高市首相、秋の内閣改造で「麻生支配」に終止符か?茂木・小林・萩生田の去就が波乱呼ぶ
今秋に予定される内閣改造と自民党役員人事を巡り、高市早苗首相が“麻生支配からの脱却”を図る可能性が高まっている。7月30日に開かれた自民党臨時役員会に出席した首相は、7月27日の時点で「現時点で私から申し上げることはない」と語っていたが、水面下では大きな動きが進行しているようだ。
元朝日新聞政治部デスクの鮫島浩氏は「毎年秋は自民党の人事の季節。党役員人事は任期1年で、状況次第では留任もあるが、今回はがらりと変わる可能性が高い」と解説。各紙の報道で支持率の下落が明らかになった高市首相は、人気回復に向けて大胆な一手を打つ可能性が高いという。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 鮫島氏が特に注目するのは、麻生太郎副総裁との距離感だ。「いまの自民党は実質的に麻生氏による支配体制。義弟の鈴木俊一氏が幹事長で、党本部の人事も麻生氏が決めた。政調会長の小林鷹之氏も最近は麻生氏に接近している。高市首相は最初から麻生氏の“操り人形”だった」と指摘する。
総裁就任以降、高市首相は麻生氏と水面下のバトルを続けてきた。今年1月には麻生氏に内緒で解散を決断。さらに麻生氏の反対を押し切り、衆院選で食料品の消費税実質0%公約を掲げ、大勝した後は麻生氏を副総裁から外し衆院議長に祭り上げようとしたが、うまくいっていない。一方の麻生氏は「国力研究会」という事実上の麻生議連を立ち上げ、勢力拡大に努めている。
秋のタイミングで高市首相は、麻生氏を頼って来秋の総裁選再選を目指すのか、それとも麻生氏を切って“自立”するのか、大きな分岐点に立たされる。鮫島氏は「もし麻生氏を切るなら、徹底的に麻生派をパージする必要がある」と語る。
具体的には、麻生氏を副総裁から外し完全無役にするか、最高顧問などの名誉職に追いやるのが最善策。当然、義弟の鈴木俊一幹事長も外し、麻生寄りの姿勢が鮮明な小林鷹之政調会長も更迭。さらに、ポスト高市に意欲満々の茂木敏充外相も外すべきだという。
そして注目は萩生田光一氏の処遇だ。「萩生田氏は高市首相から完全に麻生氏に乗り換えた」と鮫島氏は分析。その根拠として、国民民主党の連立入りを積極的に支持したことを挙げ、「高市応援団なら維新との連立重視で国民民主党に肩入れしないはず。萩生田氏は不興を買っている」と語る。
しかし、ここまで麻生派をパージすれば政権運営に混乱が生じるのは避けられない。その結果、年内に再び解散総選挙が行われる可能性も浮上する。高市首相は来年4月から2年間、食料品の消費税を1%に減税することを表明しており、この秋の臨時国会で法案を成立させる必要がある。
「仮に麻生氏を切る人事をした場合、秋の臨時国会で消費税減税法案をつぶそうと画策するだろう。参議院では自民党は少数与党。自民党議員が3~4人欠席するだけで法案は否決される。となれば、高市首相は“伝家の宝刀”解散総選挙に踏み切るしかない。秋の臨時国会冒頭か、減税法案が否決された瞬間か、もう一度国民の信を問う可能性はある」と鮫島氏は予測する。
はたして、この勢力争いを国民はどう見るのか。今後の動向から目が離せない。
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