自衛隊が市民の性的指向を秘密収集?小泉防衛相「事実確認してない」
陸上自衛隊に「現地情報隊」なる組織が存在し、一般市民の思想や性的指向まで情報収集していた可能性が浮上し、波紋を呼んでいる。
発端は「熊本日日新聞」の報道。同紙は、陸上自衛隊中央情報隊(朝霞駐屯地)の対外情報部門「現地情報隊」が、大学教授やNPO法人代表など一般市民を対象に、性的指向や異性関係、愛国心を含む思想信条などの情報を収集していたと報じた。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro この報道を受け、7月28日の閣議後会見で小泉進次郎防衛大臣は「自衛隊の現地情報隊が身分を隠して対象者に接触するなどしていたという指摘については、事実を確認しておりません」と述べた。さらに「報道の前提とされている文書については、防衛省・自衛隊が公表したものではなく、その出所や真正性を確認できていないため、当該文書の内容を前提としたお答えは差し控えます」と釈明に終始した。
同紙は「活動内容は、防衛相をはじめとする政治家や官僚らにも知らされていない」とも報じており、小泉大臣の「知らなかった」発言を補強する形となっている。
では、この「現地情報隊」とはいったい何なのか。元航空自衛官で軍事ジャーナリストの小西誠氏が解説する。
「現地情報隊は、自衛隊中央情報隊(朝霞駐屯地)の指揮下にある情報部隊で、正確な人数はわかりませんが、100~200人程度ではないかと思われます。指揮官は一佐クラスで、構成員は曹士から幹部まで、幅広い階級に及んでいます」
この組織は元々、イラクや南スーダンなど海外への自衛隊派遣に際し、現地の治安状況や部族関係などを事前調査する目的で2007年に創設されたという。
「本来、PKOを含む海外活動のための情報収集が目的でしたが、その過程で、海外事情に詳しい大学教授やジャーナリスト、研究者、NGO関係者などの調査や接触が行われるようになったと指摘されています。例えば、中国やイスラム圏に関する専門知識を持ち、現地とつながりのある人物は、情報収集の観点から非常に有力な協力者になり得ます。現地への行き来が頻繁であれば、地域の情報を把握しやすいからです」
こうした人々は現地事情や人的ネットワークに通じているため、情報機関から見れば情報収集の対象や協力者候補として関心を持たれやすい存在だという。
「日本には多くのムスリムや中東出身者が居住していますし、研究者や留学生、事業関係者などを通じて現地情報を得るという発想は、情報機関であれば当然出てくるでしょう。ですから、日本人も外国人も含めて、海外と深い接点を持つ人々が対象となる可能性があるわけです」
さらに、同紙は現地情報隊が調査対象者の女性関係や借入金などの情報まで収集していたと報道。その手口について小西氏はこう語る。
「まず対象者について詳細なデータを集め、そのうえで接触の可能性を探ります。現地情報隊の情報収集担当者は、必ずしも基地の中にいるわけではありません。民間企業や商社を装った活動拠点を持ち、一般社会の中で行動するケースもあるとされています。女性関係や金銭関係を調べるのは、その人物の弱みや行動傾向を把握するためです。場合によっては直接接触し、協力を求めることもあるでしょう。最終的には人間関係を構築するところまで含まれます」
ときには「調査者の男性に、女性隊員が身分を隠して接近するようなケース」もあり得るというから驚きだ。
「諜報活動の一般論として珍しい話ではありません。実際に協力者を得るためには何らかの接触が必要ですから、さまざまな手法が使われます。重要なのは、膨大な対象者情報の中から、その地域やテーマに適した協力者候補を選別していくことです。偶然を装って接触したり、仕事を通じて関係を築いたりといった手法は、世界中の諜報機関で行われている一般的な手法です」
過去には自衛隊による違法監視が問題化し、国が敗訴した事例もあるだけに、今回の報道は「過去の違法監視より悪質性が高い」と専門家は指摘する。
小泉大臣の「事実確認してない」という言葉が、果たして国民の納得を得られるのか。今後の真相解明が注目される。
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