歌舞伎町弁護士が語る「実刑を受けた方がいいと思う依頼人もいる」それでも闘い続ける覚悟
毎週火曜日発売の『FLASH』(8月18日・25日合併号)で、"歌舞伎町弁護士"として知られる若林翔弁護士へのインタビューが掲載された。2025年に施行された改正風営法でホストクラブへの規制が強化されたが、若林は「売り掛けやホストの接客そのものは禁止されていない」と指摘。色恋営業に関しても、関係の破綻をちらつかせたり、ノルマ未達成を理由に金を使わせる行為は禁止されたが、「誕生日だから100万円のシャンパンを入れて」と頼むだけなら合法だと線引きを解説した。
若林の主な仕事は、デリヘルやメンズエステ、キャバクラ、ホストクラブ、AV関係など"夜の業種"の顧問弁護士だ。店側だけでなく、キャストのトラブルや、風俗店で盗撮した男性、ホストクラブでもめた女性が依頼主になることもあるという。近年増えているのがネット上の誹謗中傷で、5ちゃんねるやホスラブ、爆サイなどの掲示板には店名や源氏名、容姿や私生活に関する真偽不明の書き込みが後を絶たない。
夜間運転用メガネが今ドライバーに急増中ナイトライダー 「うちでは高確率で削除できています」と若林は言うが、発信者特定は別問題。プロバイダーへの情報開示請求には裁判手続きが必要で、通信記録が残っているうちに早めの対処が肝心だと語る。客の執着がエスカレートすれば、ガールズバー従業員の刺殺事件やソープランドでの無理心中といった殺人事件に発展することも。若林は「直接扱うことはないが、前段階のストーカー被害には対応している」と明かす。
被害者と一緒に警察に行ったり、加害者に警告を送ったり、名誉毀損で損害賠償請求もする。被害に遭うのは風俗嬢やキャバクラ嬢が多いが、ホストの男性もいると言う。弁護士が同行することで、被害届が受理されやすくなる効果もあるそうだ。
若林は早稲田大学法学部を経て慶應義塾大学法科大学院に進んだが、2011年の司法試験には不合格。「受かると思っていた。落ちたときは『なめていたな』と思った」と振り返る。翌年、猛勉強の末に合格し、2013年に先輩3人とグラディアトル法律事務所を設立。当初は客が少なく、風俗業界の交流イベントで知り合った経営者とのつながりから徐々に風俗系の案件が増えたという。
「夜の街はトラブルが多いのに、専門家がいなかった。需要と供給からチャンスがあると考えた」と若林。ヤクザやケツ持ちと対峙することもあるのではと聞かれ、「弁護士がつく段階は表の世界で闘うことを意味する。すでに警察が介入しているので、身の危険を感じたことはない」と答えた。
むしろ現在、注意すべきは裏社会だけではない。若林が担当したあるデリヘル店では、女性から本番強要を訴えられた男性が、刑事の立ち会いのもと数十万円の解決金を要求された事例があった。若林が店側による脅迫の可能性を指摘すると、要求は立ち消えになったという。刑事が風俗店の後ろ盾になり、"美人局"に関与していた可能性を指摘する。
若林は「正直、『この人は実刑を受けたほうが社会のためではないか』と感じるときもある」と吐露する。それでも弁護をやめない理由は、「警察や検察は国家権力として強大。法律の素人が一人で相対するのは難しい。どんな人も、適正な手続きで裁かれる権利だけは守らなければならない」からだ。
ストレスを抱えた夜は、顧問先のサパークラブやキャバクラ、ホストクラブに気晴らしに行くという若林。「翌日は二日酔いのこともあるので、そのまた次の日から頑張ります」と笑った。
現在、東京・大阪・新潟に拠点を置き、13人の弁護士を率いる若林は、プロ野球選手会公認代理人も務めるなど、その活動範囲は多岐にわたる。夜の街の"駆け込み寺"として、今日も依頼者たちと向き合っている。
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