借金600万、ホスト通い、風俗勤務…すべてさらけ出した税理士が「夜の街」で救う女のコたち
「税金の相談に来たはずの女のコが、最後は泣きながら帰っていくんです」
そう語るのは、東京・南青山で税理士事務所を構える沖有美子さん(49)。彼女の事務所を訪れるのは、キャバクラや風俗店で働く女性たちが多い。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 「『男にお金を渡してしまう』『ホストが忘れられない』――。親にも言えないことを、私には話してくれる。人生相談みたいになることも多いです」
沖さん自身、かつては借金600万円を抱え、ホストに夢中になり、風俗で働いた過去を持つ。長年それを隠してきたが、40歳を機に覚悟を決めた。
「もう時間もたったし、過去のことを話してしまってもいいのかな、と。そうじゃないと自分が税理士になった思いが伝わらないし、自分に納得できないと思いました」
異業種交流会で自らの過去を告白したのをきっかけに、夜の街の仕事も請け負うようになった。現在、仕事の4割は夜の街で働く人々から。
「いま、いちばん多い相談は、キャバクラや風俗店の経営者から寄せられるインボイス制度についてです。ほとんどの女のコはインボイス登録をしていませんから、店側の消費税負担をどう抑えるかが、死活問題になっています」
沖さんの生い立ちは波乱に満ちている。地元・鹿児島の高校では東大受験クラスにいたほど優秀だったが、高1のときに医師だった父ががんで死去。家庭は困窮し、18歳で上京した。
20歳のとき、ネットワークビジネスにのめり込み、消費者金融などから借金を重ねて600万円に。返済に行き詰まり自己破産手続きを進める中、歌舞伎町のホストクラブに初めて行き、「見事にハマった」。
あるホストに“ガチ恋営業”をかけられ、給料では足りず、紹介されたのは過激なサービスを売りにする風俗店だった。
「これ以上の借金は無理で、自分がダメになっていくのがわかっていました。ホストの売り掛けはどんどん増えます。精神的に追い詰められたのか、咳が止まらなくなりました」
そんなとき、風俗店で出会った客が公認会計士だった。「君、数学が得意なんだね」と言われ、借金の残り400万円(ホストの売り掛け200万円と闇金200万円)を清算してもらい、そのまま愛人に。
「『君は才能があるから簿記をやりなさい』と、24歳ぐらいまで、パパが家賃や生活費だけでなく、簿記学校の学費など月30万円ほどを出してくれました」
22歳で日商簿記検定2級、半年後には難関の1級を取得。25歳から会計事務所で働き、26歳で彼氏ができたのを機にパパと別れた。
「20代のいちばん楽しい時期に友達とも遊ばず、飲みにも行かず、結婚を考える余裕もなく、机に向かいました。昼は仕事、夜も土日も勉強でした。それでも、29歳で税理士試験に合格するまで7年かかりました」
2007年に税理士資格を取得し、2014年、36歳で独立。過去を公表しXなどで発信するうちに、風俗嬢から税金の相談が舞い込むようになった。
「私の肌感覚では、風俗嬢で確定申告しているのは、多く見積もっても2割です。一方で、ソープランドで月に数百万円稼いでいるコが、『ちゃんと納税したい』と顧客になってくれたこともあります。まだ20代前半なので、『ずっと風俗を続けるなら、法人化したほうが、負担がなだらかになるよ』と話しています」
最近は、同人AVの制作者からの相談も増加。月収300万~400万円のケースもあり、AIによる税務調査が始まったことを知って「5年ぶんまとめて申告したい」と駆け込んでくるという。
「すべてをさらけ出して、女のコが元気になって帰っていく姿を見るのがいちばん嬉しいです。AI調査についてのニュースでも、申告するきっかけになるならそれでいい」
自身の壮絶な過去があるからこそ、人の痛みに寄り添える。それが沖さんなりの、“夜の街”への恩返しだ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 
今、あなたにオススメ