「サイン拒否で逮捕」はウソ? 自転車青切符導入4カ月で横行する詐欺とデマの実態
今年4月1日から始まった自転車の反則金制度(通称・青切符)。警察庁の発表によると、4月の青切符違反は2147件。より悪質な赤切符を含めた検挙数は計2980件で、前年同月の約6割にとどまり、警察が慎重に運用している様子がうかがえる。
ところが、制度スタートから4カ月が経過した今、これを悪用した詐欺やデマが横行しているという。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 実際に報じられた事例では、高校生が「三叉路を右折時に手信号をしなかったのは違反だ」と警察官を装った男に言われ、反則金名目で6000円を騙し取られた。43歳の男性は「信号無視の違反で罰金1万5000円ね」と告げられ、現金を渡してしまったという。
現在、自転車の反則金の最高額は、ながらスマホの1万2000円。そもそも「反則金」は軽微な違反で違反者が払う行政上のペナルティであり、裁判を経て科される刑事罰の「罰金」とは意味が異なる。どちらにせよ、現場で現金を徴収することは絶対にない。
こうした詐欺が成立してしまう背景には、多くの自転車利用者がルールに無知であることが浮き彫りになった形だ。
さらに、ネット上ではデマも拡散中。その代表格が「サイン拒否で逮捕」というものだ。
交通違反の取り締まり時、警察官は違反者に切符へのサイン(署名・押印)を求めるが、サインするかどうかはあくまで本人の自由。逮捕の理由にはなり得ない。にもかかわらず、なぜこんなデマがまかり通るのか。
交通ジャーナリストの今井亮一氏によると、切符の「供述書(甲)」の欄には《私が上記違反をしたことは相異ありません》と印刷されており、ここにサインすると自白調書を承認したことになる。一度サインすれば、たとえ無実でも後で覆すのが難しくなる。そのため、サインを取れない警察官が上司から叱責されるケースがあり、「サインしないなら署へ来てもらう」と脅したり、逮捕をほのめかす警官がいるのがデマの根源だと指摘する。
警察庁も問題視し、2024年には「仮にも押印等が違反者の法的義務であるという誤解を相手方に与えるような言動をしないよう」求める通達を出している。
もう一つ広まっているのが「反則金の行政処分」というデマ。実は反則金の納付も任意であり、支払わなければ刑事手続きに移行するが、それ自体が処分というわけではない。にもかかわらず、メディアでも「反則金の処分」と表現されることがあり、混乱に拍車をかけている。
さらに「反則金を払わないと数万円の罰金になる」という説もデマだ。交通違反は本来、警察の取り締まりで終わりではなく、検察や裁判所が適切な処罰を判断する刑事手続きを経る。しかし、軽微な違反までいちいちチェックするのは非効率なため、1968年に導入されたのが反則金制度。違反を認めて軽いペナルティを払えば刑事手続きから外れる仕組みだ。
法務省の2024年のデータによると、刑事手続きに進んだ交通違反のうち、正式起訴は7274人、略式起訴が8万4348人、不起訴が11万480人。不起訴のうち10万3300人は起訴猶予、つまり「違反は事実だが処罰するまでもない」と判断されたケースだ。数千円の反則金クラスで実際に罰金刑になったのは、地方裁判所で1人、簡易裁判所で2人だけ。めったにないレアケースなのだ。
今井氏は、自転車利用者の無知につけ込み、「ゴネれば不起訴でチャラ」という態度があからさまな人は、逆に見せしめ的に起訴される可能性もあると警告。安全でマナーの良い運転を心がけるよう呼びかけている。
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