「できるころには生きてない」 北陸新幹線・桂川案決定も住民は冷ややか、工期26年に地元から嘆き
北陸新幹線の敦賀(福井県)~新大阪間の延伸をめぐる議論が、ようやく新たな局面を迎えた。7月15日、自民党と日本維新の会による連立政権のもと、新ルートとして「桂川案」が正式に決定。JR桂川駅付近を通るこの案は、長年議論されてきた「南北案」を退け、環境負荷の軽減を狙ったものとされる。
しかし、肝心の地元・京都は冷めた空気が漂っている。会見に臨んだ京都市の松井孝治市長は「具体的にどういう負担になるのかを精査し、しっかりと見極めなければならない」と慎重姿勢を崩さず。市長は以前から「京都市は一度も北陸新幹線の誘致活動をしてはいません」と語っており、新幹線の乗り入れに積極的とは言い難い。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro その背景には、京都市が掲げる「5つの懸念・課題」がある。トンネル工事による地下水や環境への影響、大量の発掘残土の処分、工事中の交通渋滞、約5.5兆円とされる総工費に伴う財政負担、そして歴史的建造物や文化的資産への影響——いずれも高いハードルだ。京都市の担当者は「国や鉄道運輸機構から具体的な説明がまだない」と困惑気味に語る。
さらに、強硬な姿勢を示すのが「京都仏教会」だ。同会の長澤香静事務局長は、これまで南北案を「千年の愚行」と批判してきたが、桂川案についても「地下水の水質や水位の問題、残土の処理の問題は依然として横たわっている」と断言。7月6日には京都市議会に「国の調査結果を鵜呑みにせず市独自の検証・調査を行うこと」「財政負担を精査すること」「納得できるまで工事着工を認めないこと」を求める請願書を提出し、同21日の本会議で全会一致で採択された。長澤事務局長は「新幹線の延伸が『千年の愚行』とならないよう、国と向き合っていきたい」と語気を強める。
一方、JR桂川駅周辺の住民の反応はさらにシビアだ。50代の女性は「特にうれしくもない。北陸に行く機会がないし、人が増えて騒がしくなるのがイヤ」とぽつり。60代の女性は「金沢に親戚がいるけど、完成は30年後。できるころには私も親戚も生きていない(笑)。工事の車や振動の心配のほうが大きい」と苦笑いする。40代の男性も「具体的なことが何も発表されていないから、実感がわかない」と無関心を装う。
工期は26年と見込まれているが、着工開始のめどすら立たない現状。国や鉄道運輸機構が地元の懸念を拭い去り、合意形成に至るのか——その道のりは、まだまだ険しそうだ。
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