ハーバード院卒の歯科医が警告「1日3回の雑な歯磨き」より「夜15分」が命を守る
「口内をいかに清潔に保つかが『命』を守る直結策なのですが、日本人の予防意識はまだまだ低いのが現状で……」
そう嘆くのは、日本人歯科医師として初めて米国ハーバード大学歯学部・公衆衛生学部大学院を修了した大岡洋氏(大岡歯科医院院長)。世界水準を知る歯科医師が、生涯健康な歯を保つ“令和の最新メソッド”を伝授する。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro 日本の歯科医院数は約6万5000軒と、コンビニより多いものの、なぜ予防意識が低いのか。大岡氏は「国民皆保険制度がなく治療費が高額な米国と違い、日本は保険診療で安価に治療できるため『痛くなったら治せばいい』と甘く考えがち」と指摘。さらに「『悪くなったらインプラントにすればいい』という過信も危険。天然歯より細菌感染に弱く、手入れが疎かになればすぐに抜け落ちる。1本100万円単位の費用がかかり、老後資産計画が狂う原因にもなりかねない」と警鐘を鳴らす。
その予防意識の低さが招く最悪の事態が、日本人の死因6位の疾患「誤嚥性肺炎」だ。「口腔内が細菌だらけだと、食事中にむせた際などに細菌が肺に侵入し、致命的な肺炎を引き起こしやすくなる」という。
そして、口内を細菌の巣にする元凶こそ「歯周病」。大岡氏によれば「成人の8割が罹患していると推計され、ギネス世界記録で『人類史上最も感染者数の多い感染症』に認定されるほど蔓延している」という。歯周病菌が血管から全身をめぐると、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病のリスクを高める。厄介なのは15〜20年かけて進行し、末期まで自覚症状が出ない点。「『虫歯ゼロ』の人ほど通院習慣がなく、重症化しやすい。症状がなくても定期的なメンテナンスが欠かせない」と強調する。
では、この恐ろしい歯周病を防ぐにはどうすればいいのか。大岡氏は「“歯磨き”の常識をアップデートする必要がある」と説く。
「歯の白い面を中心に磨くのは大間違い。歯周病を防ぐには、細菌の侵入口である歯と歯肉の境目(歯周ポケット)をブラッシングし、汚れを取り除く『歯肉へのマッサージ』が必要」
便利な電動歯ブラシについても注意を促す。「電動歯ブラシによる毎分約3万回の強烈な振動は加減が難しく、汚れを落とすだけでなく、繊細な歯肉まで痛めつけやすい。知覚過敏を引き起こす原因になりかねない」
そして意外なのが、1日3回の雑な歯磨きよりも、夜1回15分のブラッシングのほうが効果的だという点だ。「こまめにブラシするのが難しい人は、一日1回でも構いません。ただし、『夜寝る前』におこなうことが絶対条件。日中は唾液の自浄作用が働きますが、睡眠中は唾液が減り、細菌が繁殖しやすい危険な時間帯。一日3回、5分ずつサッと磨くより、夜寝る前に1回15分以上かけて徹底的に汚れを落とすほうが効果的」
慌てて磨いたり、感覚に頼って適当にすますのもNGだ。「ブラッシングは『手の筋肉運動』。鏡を見ずに急いでブラシすると、無意識に『サボり癖』を発揮し、磨きやすい場所に偏る。鏡を使い、自分の目で手のクセを厳しく監視することが不可欠」
「元気な今のうちから、正しいブラッシング習慣を徹底して身につけること。それが、生涯元気でいるための最強の防衛策です」と大岡氏。
「大岡式ブラッシング」の極意を身につけ、生涯健康な歯を維持しよう。
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