イオンモール熊本、30分で3000人避難成功も「60年で初めて」の大爆発 防災専門家が指摘した想定外の盲点
熊本県嘉島町にある「イオンモール熊本」で、7月28日夕方に発生した大規模な爆発。最大震度7を観測した地震から約1時間半後、多くの買い物客や従業員がまだ館内にいる中で起きたこの事故は、7人が死亡、5人が負傷する痛ましい結果となった。
7月29日、イオンの吉田昭夫社長とイオンモールの大野恵司社長が緊急記者会見を開いた。吉田社長は「命を失われる方々がおられるという事態を招き、慚愧の念に堪えない。深く深くおわび申し上げる」と謝罪。原因については「ガス爆発の可能性が高い」としながらも、詳細は分かっていないとした。会見では記者から「予期できなかったのか」といった厳しい質問も飛び出した。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro イオングループは150近い自治体と防災協定を結び、地方の「防災拠点」として高い評価を得てきた。今回の事故でその信頼が揺らぐのではという懸念もある。しかし、防災システム研究所所長の山村武彦氏は、爆発そのものは「誰も想定できなかった」と話す。
「私は60年間、災害現場の現地調査をやってきましたが、これほどの大規模なガス爆発というのは初めてです。阪神大震災でも一般家庭などでの事例はありますが、今回のような規模は過去にありません」(山村氏)
山村氏がむしろ評価するのは、爆発が起きるまでのイオン側の対応だ。同店は10年前の地震を教訓に、現行の2000年基準で耐震化を進め、釣り天井の落下防止なども徹底していた。実際、地震発生後30分以内に約3000人の客と従業員を避難させることに成功。これは日頃の防災訓練や危機管理マニュアルが機能した結果だという。
ほとんどの人が避難を終えた後に爆発が起きた。避難者や周辺住民からは「ガスの臭いがした」という証言も出ている。山村氏は「震度5相当の揺れでガスの遮断装置が働くのが一般的。なぜ遮断できなかったのか、配管からの漏洩だったのか、事前点検は適切だったのか、検証が必要」と指摘する。
ガス漏れの危険がある場所では、スイッチ操作による火花が爆発を誘発する恐れもある。「あわてて換気扇を入れると火花が散ることもある。出入口を開けて、一刻も早く外部に避難することが大切」と山村氏は警鐘を鳴らす。
今回の事故を受け、大型商業施設での地震発生時にパニックになる人が増える可能性も。山村氏は「急に地震がきたら、まず『落ち着いて』と自分に声をかけ、一拍置いてから動き出すこと。ガラスや照明、陳列棚から離れた広い場所で姿勢を低くし、頭と首を守りながら揺れが収まるのを待つ。その後は係員の指示に従い、エスカレーターやエレベーターは使わず徒歩で避難してほしい」とアドバイスする。
最も重要なのは、日頃からの備えと避難経路の確認。今回のイオンモール熊本の事例は、防災拠点としての強みと、想定外のリスクの両方を浮き彫りにしたと言える。
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